2007年2月19日月曜日

「自然享有権」

イギリスには、有名な「フットパスシステム」がある。広い農場や牧場、あるいは庭園などの外周をめぐる柵の一部に扉が付いていて、誰でもいつでも私有地を通り抜けることができる。他人の庭を通り抜けて散歩することができるというシクミを作り出したイギリスという国はすばらしいと思う。

そんなシクミが、実はスウェーデンにもあるということを知った。スウェーデンには、自然享有権という権利があって、これが法律で守られているという。

自然享有権(アッレマンスレット)というスウェーデン語は、スウェーデン人が生まれながらにして自然を楽しむ権利を持っているという意味を含むそうだ。この精神に則って、スウェーデンでも他人の庭園や農園を通り抜けることができるのだという。自分の土地でなくてもオープンスペースを楽しむことができるというのは、現代の日本人にはほとんど無い発想だといえよう。日本でも最近オープンガーデンが一般的になってきたものの、さらに進めて庭園を誰でもいつでも横切ることができるというところまで行き着いてほしい。そうすれば、オープンスペースのマネジメントやデザインもこれまでのものとは違ってくるはずだ。「自然享有権」という言葉は、スウェーデンに留学していた女性が教えてくれた言葉である。彼女には、雑誌「OSOTO」の「海外おそと事情」という記事を書いてもらうことにした。自然享有権に関する具体的な事例は、ぜひOSOTOの第2号をご覧いただきたい。

山崎

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