2005年1月8日土曜日

「多面的な関わり」

パンフレットをデザインしている。「あそびの王国」という公園のパンフレットである。公園の開園予定日は2005年4月23日(土)。当日はオープニングイベントを開催する予定だ。オープニングまでにパンフレットを印刷して配布しなければならない。

「あそびの王国」の設計は2000年に始まった。東京ドーム2個分の広さを持つ公園。子どもの遊び場としてはかなり広い部類に属する。この広さの遊び場はどうあるべきか。この広さの遊び場を子どもはどのように使うのだろうか。当時、設計の参考になるような遊び場の事例はあまり見つからなかった。

そこで、周辺に住む小学3年生から5年生を集めてワークショップを2回実施した。ダンボールを使って仮設の遊び場を作り、子どもたちがどんな空間を好むのか、どんなことをしているときに目を輝かせているのかなどを観察した。子どもの遊びを促進するプレイリーダーも投入し、子どもたちが精一杯遊べる環境を整えた。

2回のワークショップを通じて子どもの遊び特性を把握し、そのデータに基づいて遊び場の基本計画を進めた。2001年に実施設計を終え、2002年に土地の造成、2003年から2004年までは遊具や施設の工事が行われた。

その間、2002年には遊び場の運営計画を策定した。かつてのガキ大将的な役割を担う子どもがいないため、最近の子どもは同年代ばかりで集まって遊んでしまう。ガキ大将をトップとする「子どもの縦社会」に身をおくことが無いということは、子どもたちが人間関係について学べない危険性もある。

そこで「あそびの王国」では、かつてのガキ大将に相当する「ガキリーダー」を育成することにした。小学校高学年から中学生程度の子どもを集めて、ガキリーダーとしての心得を学ぶキャンプを実施する。このキャンプに参加した子どもたちを「ガキリーダー」として登録し、「あそびの王国」で遊びを促進する子どもになってもらう。チーム名は「ガキクラ」。

2003年には、実際にガキクラに参加する子どもを募集した。集まった子どもとキャンプを実施しガキリーダーとして登録した。また、ガキクラをサポートする高校生や大学生、保護者の組織を発足させ、ガキクラサポートチームを編成した。

そして2004年。あそびの王国オープンに向けて、オープニングイベントの企画、開園後に配布するパンフレットのデザイン、ガキクラの運営補助などを担当している。

ワークショップから設計、人材育成、運営組織の立ち上げ、パンフレットデザイン。自分が設計した公園にいろんな側面から付き合うことができたのは幸せなことだ。ただ唯一、「あそびの王国」という公園名称だけは変えることができなかった。未だにあまりいい公園名称だとは思えないのだが。

今日はガキクラの新年会だった。久しぶりにガキクラのメンバーと飲みに出かける。初めて見る人も多かった。順調にメンバーが増えている証拠だ。発足当初に比べるとかなり賑やかなチームになったように感じる。今後もガキクラの変化を見守りたいと思う。

山崎

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